西尾市の子供スポーツ体操トレーニングジム教室「PHYSICAL MONSTER」

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2025/08/30

反復練習は本当に正しい? ― 『反復のない反復』の考え方

🏃 はじめに

「とにかく同じ動きを100回練習すれば上達する」
そう信じている方は多いと思います。
しかし最新のスポーツ科学では、この考え方は必ずしも正しくないことが分かってきました。
キーワードは 「反復のない反復」 です


🔑 『反復のない反復』とは?

ロシアの生理学者 N.A. Bernstein が提唱した運動制御の大問題 ― 自由度の問題と文脈上の変動性
彼の考えを基にした概念が「反復のない反復」です。

  • 同じ動作をしているつもりでも、毎回少しずつ違う

  • 歩行ですら、日によって91〜95%異なるパターンが観測される

  • その差は「疲労・感情・環境」などによって生まれる

👉 つまり、「全く同じ動作」は存在せず、常に微妙な違いがあるのです。


🧩 子どもの成長にどう関わるのか?

  1. 環境適応力が高まる
     毎回少し違う動作を経験することで、脳と体は「誤差を修正する力」を獲得。

  2. ケガ予防につながる
     同じ動作だけを繰り返すと負担が一部に集中。変動性は分散効果を生む。

  3. スキル転移が起こる
     “Key Movement(核となる動作)”を中心に、他の競技や場面に応用可能。


❌ 「同じ型だけを繰り返す練習」の問題点

  • 子どもが 型に縛られすぎて応用が効かなくなる

  • 試合や実戦では、常に状況が変わるため「再現性のない動き」に対応できない

  • 上達よりも「動きが固まる」リスクが高まる


✅ 『反復のない反復』を取り入れる方法

  1. 練習条件を変える
     例:ボールの大きさ、投げる角度、助走距離を少しずつ変える。

  2. 環境を変える
     例:外・室内、芝生・体育館など場所を変える。

  3. 課題を加える
     例:「的を狙う」「相手の動きを見て投げる」など制約をつける。

➡️ ただし「外してはいけない要素(Attractor)」は残すことが重要です。
 例:走動作では「ヒップロック」「上体の安定」など。


🌱 まとめ

  • 同じ動きを100回繰り返すこと=上達ではない。

  • 「反復のない反復」を通じて、子どもの運動神経は“応用力”として育つ。

  • 保護者が意識すべきは「失敗もOK」「違ってもOK」という環境づくり。

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