自己調整学習(SRL)と制約主導アプローチ(CLA)で子どもの主体性を育てる 🧠✨
1️⃣ 「やらされる練習」では伸びにくい時代へ
スポーツの現場では、「言われた通りにやる」だけでは子どもの力は伸びません。
必要なのは、「自分で考え、修正し、成長できる力」。
その力を育てるのが、
👉 自己調整学習(Self-Regulated Learning:SRL) と
👉 制約主導アプローチ(Constraint-Led Approach:CLA) です。
2️⃣ 自己調整学習(SRL)とは?
SRLとは、
「自分で目標を立て、実行し、振り返り、次の行動に生かす力」
のことです。
つまり、コーチに言われたからやるのではなく、
「どうすればもっと良くなるか」を自分で考えられる選手を育てる考え方です。
SRLの3ステップ
1️⃣ 目標を立てる(計画)
→ 「今日は姿勢を安定させよう」
2️⃣ やってみる(実行)
→ 自分の身体感覚を意識しながらトライする
3️⃣ 振り返る(評価)
→ 「どうしたらもっとやりやすくなるか」を考える
この繰り返しで、自分で考えて成長できる選手になります。
3️⃣ 制約主導アプローチ(CLA)とは?
CLAは、**「教えすぎず、環境で導く」**という考え方です。
指導者が「こう動いて」と正解を教える代わりに、
「環境」「道具」「課題(制約)」を工夫して、
子どもが 動きながら自分で“うまくいく方法”を見つける ように促します。
4️⃣ 現場での実践例
たとえば、スクワットの姿勢が安定せず、膝が前に出てしまう子がいたとします。
❌ 従来型の指導
「もっと背筋を伸ばして!」
「膝を前に出さないで!」
➡ 指示ばかりになり、子どもは“外からの言葉”に頼るようになります。
✅ CLA+SRL型の指導
「じゃあ、ボックス(椅子や台)を使ってやってみよう」
(※しゃがむ深さを制限する“制約”を設ける)
➡ すると、自然と膝が前に出にくくなり、重心を後ろに保つ感覚をつかめる ようになります。
子どもは「どの深さなら安定して力を出せるか」「どう動くとスムーズに立てるか」を、体感的に学んでいく のです。
このとき、指導者は「そのフォームが安定してるね」「どうするとやりやすかった?」と問いかけ、
自分で気づき・考えるプロセス(SRL) を促します。
CLAが「学びを引き出す環境」をつくり、
SRLが「自分で調整して成長する力」を育てる――
この2つが組み合わさることで、子どもは“自分でうまくなる”力を身につけていきます。
5️⃣ “教える”から“気づかせる”へ
子どもが本当に成長するのは、
「できるようにさせられたとき」ではなく、
「できた理由に自分で気づいたとき」です。
CLAとSRLの考え方は、
「教える指導」から「気づかせる指導」へと変えていくものです。
6️⃣ 保護者ができるサポート 💬
家庭でもSRLの力を育てることができます。
🗣️ 練習やトレーニングのあとに、こんな声かけをしてみてください👇
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「今日の練習でうまくできたことはどこ?」
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「うまくいかなかったとき、どうしたら良くなると思う?」
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「次の練習では何を意識してみたい?」
こうした対話が、お子さんの“考える習慣”を育てます。
✅ まとめ
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SRL(自己調整学習) は「自分で考え、修正し、再挑戦する力」
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CLA(制約主導アプローチ) は「その力を引き出す環境設計」
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教えすぎず、環境で気づかせる
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指導者・保護者の“問い”が、子どもの主体性を動かすカギ

