🏃 Plyometrics ― 走る・跳ぶ力をトレーニング
スポーツで必要な「走る力」「跳ぶ力」を育てるうえで欠かせないのが プライオメトリクス(Plyometrics) です。
これは単なるジャンプ練習ではなく、筋肉・腱の特性と神経系を利用して爆発的な力を発揮するトレーニング法 です。
🔬 SSC(Stretch-Shortening Cycle)とは?
プライオメトリクスの中心となる考え方は SSC(伸張反射)。
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筋を素早く伸ばす(エキセントリック収縮)
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直後に縮める(コンセントリック収縮)
👉 これにより「バネのように」力を一気に解放できます。
📚 Komi (2000), Strength and Power in Sport
🧩 マッスルスラック(Muscle Slack)とは?
筋肉はただ力を出すだけでなく、収縮前に“たるみ(Slack)”を取る時間があることが知られています。
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Slackが大きい=力を出すまでに時間がかかる
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Slackが小さい=すぐに力を伝えられる
👉 プライオメトリクスは、この「Slackを素早く処理する能力」を高める点でも重要です。
例
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静止した状態からのスクワットジャンプ → Slack処理能力が試される
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連続ジャンプやドロップジャンプ → SSCによる弾性利用が中心
つまり、SSCを使う種目と、Slack処理を狙う種目を両方行うことで、爆発的パワーの土台が完成します。
📚 van Hooren & Zolotarjova (2017), Sports Medicine
⚡ Plyometricsの効果
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爆発的パワーの向上(ジャンプ高・加速力)
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神経系の発達(速筋動員・反応速度改善)
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力の立ち上がり率(RFD)の強化
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着地動作の習得によるケガ予防
📊 科学的ガイドライン(De Villarreal et al., 2009)
プライオメトリクスの実施基準(成人を対象とした研究ベース)は以下です。
スピードストレングス目的(週2回)
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頻度:週2回
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量:40–60コンタクト/セッション(≦120/週)
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強度:4–6回 × 2–3セット
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休息:1–3分(セット間)、72時間(セッション間)
アクティベーション目的(週4回)
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頻度:週4回
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量:20–30コンタクト/セッション(≦120/週)
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強度:4–6回 × 1–2セット
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休息:1–2分(セット間)、24時間(セッション間)
👉 子どもにはこの基準を調整し、着地の習得と質の管理を最優先します。
⚽ スポーツ応用例
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野球:投球・打撃で下半身の反力を効率的に伝える
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サッカー:シュートやジャンプヘディングの爆発力
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陸上短距離:スタートダッシュや加速の強化
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バスケ・バレー:高く跳び、安定して着地する力
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柔道・ラグビー・剣道:コンタクト直後に崩れない踏ん張り
👪 保護者の方へ
「たくさんジャンプすれば跳べるようになる」と思われがちですが、実際は “ジャンプの質”をどう管理するか が大切です。
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SSCを活かすトレーニング(反発力の利用)
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マッスルスラックを処理するトレーニング(反動なしで爆発的に動く)
👉 この両方を経験することで、子どもは「速く・強く・安全に動ける体」を手に入れます。
✅ まとめ
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Plyometrics=SSCとマッスルスラックの両方を鍛えるトレーニング
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SSC:弾性エネルギーを利用した効率的な力発揮
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マッスルスラック:力を“ゼロから立ち上げる”能力
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科学的ガイドラインに基づき、回数・休息を調整することが必須
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子どもの成長段階に応じて適切に導入することで、あらゆるスポーツに直結
👉 PHYSICAL MONSTER ACADEMYでは、この両面をバランスよく取り入れ、子どもたちが 「走る・跳ぶ・ぶつかる」動作をより強く、より安全に実行できる体 を育てています。
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