特異性の原則 ― 似た動きではなく“目的に合った刺激”を選ぶ 🎯
1. 特異性の原則とは?
トレーニングの世界には「特異性の原則」という考え方があります。
これは 与えたストレスの種類に応じて、その適応も特異的に起こる というものです。
つまり「どんな刺激を身体に与えるか」が、そのまま「どんな成長をするか」を決めるのです。
2. よくある誤解
「特異性」と聞くと、
👉 「競技の動きにそっくりな練習をすればいい」
と思われがちです。
たしかに、始めたばかりの子どもにとっては競技そのものの動作が新しい刺激となり、十分に成長につながります。
しかし経験を積んだ選手の場合、競技動作はすでに身体が慣れてしまっているため、それ以上の成長刺激にはなりにくいのです。
3. 本当の特異性は「動き」ではなく「刺激の質」
特異性の原則が意味するのは、
「見た目の動きが競技に似ているかどうか」ではなく、
「その動作でどんな刺激を身体に与えているか」です。
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速さを伸ばしたいなら「短時間で大きな力を出す刺激」
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パワーを伸ばしたいなら「爆発的な力発揮の刺激」
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持久力を伸ばしたいなら「長時間続ける負荷」
👉 目的と刺激が合っていなければ、能力は伸びません。
4. 子どもの成長にどう関わる?
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初心者の段階
競技そのものが新しい体験であり、それだけで大きな刺激となります。
走る、跳ぶ、投げるといった動き自体が新しい負荷になるため、
競技をするだけでフィジカル(筋力・瞬発力・持久力・柔軟性など)も一緒に伸びていきます。 -
経験を積んだ段階
競技動作に身体が慣れてしまい、もはや新しい刺激にはなりません。
➡ この段階では「競技だけ」ではフィジカルの成長は頭打ちになり、
競技以外での補強トレーニング(ウェイト・プライオメトリクス・モビリティなど) が必要になります。
5. 保護者の方へメッセージ 💡
「競技練習だけをたくさんやれば強くなる」と思われがちですが、実際にはそうではありません。
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競技練習は“スキル”を磨くもの
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トレーニングは“能力”を伸ばすもの
能力を伸ばしてこそ、スキルがさらに生きるのです。
だからこそ、私たちは「特異性の原則」に基づいて、目的に合った刺激を組み込んだプログラムを提供しています。
✅ まとめ
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特異性の原則=「動きの類似」ではなく「刺激の質」によって決まる
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初心者は競技動作そのものが刺激になり、フィジカルも伸びる
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経験者は競技だけでは新しい刺激が得られず、成長は頭打ちになる
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S&Cプログラムは、その“不足する刺激”を計画的に補う役割を果たしている

