西尾市の子供スポーツ体操トレーニングジム教室「PHYSICAL MONSTER」

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2025/10/08

コルブの経験学習理論とスポーツ現場 🎯

~「やって終わり」にしない学び方のデザイン~

1. 経験から学ぶ ― Kolbの4つのサイクル

アメリカの教育学者 デイヴィッド・コルブ(David Kolb) は、
「人は経験から学ぶ」という考えを体系化しました。

その学びのプロセスは4つの段階から成り立っています👇

1️⃣ 具体的経験(Concrete Experience)
 → 実際にやってみる・体験する。
 (例:新しい動きを練習する、試合に出る、ミスを経験する)

2️⃣ 省察的観察(Reflective Observation)
 → その経験を振り返る。
 (うまくいかなかった理由、どう感じたかを考える)

3️⃣ 抽象的概念化(Abstract Conceptualization)
 → 振り返りから理論や考え方を導く。
 (なぜそうなったのか?何を変えればいいか?)

4️⃣ 能動的実験(Active Experimentation)
 → 新しい考えをもとに行動を変えて試す。
 (フォームを修正する、新しい戦術を試す)

この4つのサイクルを繰り返すことで、学びが深まり、「できる」から「理解して使える」へ 変わっていきます。


2. スポーツ現場では「経験で終わる」ことが多い

スポーツの練習や試合は、まさに「具体的経験」の宝庫です。
しかし、多くの場合、練習や試合が 「やって終わり」 になってしまっています。

  • ミスしても次のプレーにすぐ移る

  • 「もう一回やれ!」で終わる

  • なぜうまくいかなかったかを考える時間がない

これでは 経験が“消費”で終わってしまい、“学習”にはなりません。


3. 経験を“学び”に変える仕組みが必要

スポーツ現場で重要なのは、経験を振り返る時間と対話です。

たとえば、

  • 「なぜ今のプレーはうまくいかなかったと思う?」

  • 「次に同じ場面が来たらどうする?」

といった問いかけをすることで、子どもたちは自分の中に「学びの回路」を作り始めます。

これがまさに、省察的観察 → 抽象的概念化 のステップです。


4. S&C(ストレングス&コンディショニング)にも当てはまる

トレーニングも同じです。
ただ動くだけでは「経験」で終わりますが、

  • なぜこの種目をやるのか

  • どこを意識すべきなのか

  • 終わったあとにどう感じたか

こうした問いを入れることで、トレーニングが“学び”に変わるのです。

特に子どものうちは、「考えるトレーニング」を通して
自己理解・身体感覚・判断力 が育ちます。


5. 保護者・指導者ができること 💡

  • 練習や試合後、「どうだった?」と聞く時間をつくる

  • 失敗を責めず、「次にどうする?」の視点で対話する

  • 結果だけでなく「考えた過程」を認める

この小さな積み重ねが、子どもの「学習サイクル」を回すサポートになります。


✅ まとめ

  • コルブの経験学習理論は「体験→振り返り→理解→実践」の4段階

  • スポーツは経験が多いが、振り返りが少ないと“学び”にならない

  • S&Cでも、動くだけでなく「なぜ・どう感じた」を意識することで効果が高まる

  • 経験を“学び”に変える仕組みが、選手の成長を支える

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