ケガの原因は「痛い場所」ではない 🧩 ~身体はすべてつながっている~
1️⃣ 「痛いところ=悪いところ」とは限らない
子どもが「ひざが痛い」「腰が痛い」と言うと、
多くの人はその場所を直接ケアしようとします。
でも、スポーツのケガの多くは
「痛い場所=原因の場所」ではないのです。
たとえば、
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ひざが痛い → 股関節や足首の動きが硬い
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肩が痛い → 胸郭や骨盤の位置が崩れている
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腰が痛い → 呼吸や体幹の安定性が低下している
といったように、痛みは“結果”であって、原因は別の場所にあることがほとんど。
2️⃣ 身体は「部分」ではなく「つながり」で動く
人の身体は、筋肉や骨がバラバラに働いているわけではありません。
歩く・走る・投げるなどの動作では、常に**全身が連動(連鎖)**しています。
この考え方を「運動連鎖(Kinetic Chain)」といいます。
たとえば、
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野球の投球では「足 → 骨盤 → 胸 → 肩 → 手」の順で力が伝わる
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サッカーのシュートでは「体幹 → 股関節 → 膝 → 足首」が連続的に働く
この流れのどこか一箇所がうまく動かないと、
他の部位が代わりに頑張り、結果的に“痛み”が出てしまうのです。
3️⃣ ケガは「代償動作」から始まる
身体のどこかがうまく機能していないと、
他の部分がその動きを“代わりにやる”ようになります。
これを**代償動作(compensation)**と呼びます。
例)
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股関節がうまく動かない → 腰が余計に反る
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胸が硬い → 肩で無理に動かす
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足首が硬い → ひざにねじれが集中する
このように「一見関係なさそうな場所」が原因になり、
時間をかけて痛みが表面化してくることが多いのです。
4️⃣ 「痛みを消す」ではなく「動きを整える」
子どものケガで大切なのは、
痛みのある部位だけを休ませることではなく、
身体全体の動きを見直すことです。
痛みを一時的に抑えるだけでは、
根本の問題(動きの崩れ・安定性の欠如)は解決しません。
そのためPHYSICAL MONSTER ACADEMYでは、
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呼吸(Breathing)で姿勢と体幹を整える
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モビリティ(Mobility)で関節の動きを取り戻す
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モーターコントロール(Motor Control)で正しい動作を再学習する
といった流れで「痛みの再発しにくい身体」をつくっていきます。
5️⃣ ケガの“予防”は、正しく“動く”ことから
ケガを防ぐ最も効果的な方法は、
筋トレでもストレッチでもなく、
**「正しく動ける身体を育てること」**です。
身体の各パーツがバランスよく機能し、
本来の順番で力を伝えられるようになることで、
スポーツ中の負担が減り、パフォーマンスも自然に上がります。
✅ まとめ
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痛みは「結果」であり、原因は別の場所にある
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身体は“つながり”の中で動く(運動連鎖)
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代償動作が続くとケガにつながる
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回復の第一歩は「正しい動き」を取り戻すこと
💬 保護者の方へ
お子さんが「痛い」と言った時、まずその“背景”を見てあげてください。
痛い場所だけを責めず、身体全体を整えることで、
「痛みの出ない・動ける身体」を取り戻すことができます。
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