西尾市の子供スポーツ体操トレーニングジム教室「PHYSICAL MONSTER」

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2025/09/04

Joint by Joint Theory ― 関節ごとに必要な役割

🏃 Joint by Joint Theoryとは?

Joint by Joint Theory(ジョイント・バイ・ジョイント理論)とは、
「関節ごとに求められる役割(モビリティ or スタビリティ)が交互に存在する」
という考え方です。

👉 つまり、人間の身体は「動くべき関節」と「安定すべき関節」が連動して働くことで、効率的に動作が成立します。


🧩 関節ごとの役割(代表例)

関節部位 主な役割 ポイント
足首(Ankle) モビリティ(動きやすさ) 背屈の柔軟性がなければ走る・跳ぶが崩れる
膝(Knee) スタビリティ(安定性) 膝は“ブレない”ことが最優先
股関節(Hip) モビリティ 股関節が硬いと腰痛や膝のケガに直結
腰椎(Lumbar spine) スタビリティ 腰は大きく動かすのではなく、体幹の安定が必要
胸椎(Thoracic spine) モビリティ 胸椎の回旋がないと投げる・打つ動作が非効率
肩甲帯(Scapula) スタビリティ 肩甲骨の安定が肩関節の自由な動きを支える
肩関節(Glenohumeral) モビリティ 投球やサーブで大きな可動域が必要
肘(Elbow) スタビリティ 過剰に動くと肘の障害につながる
手首(Wrist) モビリティ ボール操作やラケットスポーツに必須

👉 このように、関節ごとに役割が交互に入れ替わるのが特徴です。


⚽ スポーツでの応用例

  • 野球(投球)
    股関節のモビリティと胸椎の回旋がなければ、肩や肘に過剰な負担がかかる。

  • サッカー(シュート・ドリブル)
    足首の柔軟性+股関節の可動域 → 膝や腰のケガ予防に直結。

  • 陸上短距離(スタート)
    足首と股関節のモビリティが不足すると、膝が内外にブレやすくなる。

  • テニス(サーブ・フォアハンド)
    胸椎のモビリティと肩甲帯のスタビリティが、効率的な運動連鎖の鍵。

  • バスケットボール(ジャンプ・シュート)
    股関節の可動域が狭いと腰椎で代償して痛みにつながる。


👪 保護者の方へ

「体が硬い」「ケガが多い」という子どもは、動くべき関節が動かず、安定すべき関節が揺らいでいる ことがよくあります。

👉 筋トレやストレッチの前に大切なのは、

  • どの関節を動かすべきか?

  • どの関節を安定させるべきか?
    を理解してサポートすることです。


✅ まとめ

  • Joint by Joint Theoryは「関節ごとに役割がある」という考え方

  • モビリティ(動きやすさ)とスタビリティ(安定)が交互に並ぶ

  • 野球・サッカー・陸上・テニス・バスケ、すべての競技に直結

  • ケガ予防にもパフォーマンスアップにも欠かせない理論

👉 PHYSICAL MONSTER ACADEMY では、この理論をベースに子どもの関節の役割を見極め、「ケガをしにくく、思い切り動ける体」を育てています。

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2025/09/03

カオスから生まれる成長 ― 子どもの動きが突然うまくなる理由

🌀 「昨日までできなかったのに、急にできるようになった!」

スポーツの現場や日常の練習で、こんな経験はありませんか?

  • 野球でなかなかストライクが入らなかった子が、突然コントロールが安定する

  • サッカーでドリブルが不器用だった子が、急に相手を抜けるようになる

  • バスケットボールのフリースローが、ある日を境に入るようになる

これらは「努力の積み重ねが急に花開いた」だけでは説明できません。
実はここに 非線形運動学習理論 の考え方が深く関わっています。


🔄 練習は直線的に伸びない ― 非線形学習理論

従来の考え方:
「練習すればするほど、右肩上がりに上達する」

実際の子どもたち:

  • 上手くなるときもあれば

  • 混乱して動きがバラバラになるときもある

  • そして突然、別人のようにできるようになる

この “停滞 → 混乱 → 突破” のサイクルこそが非線形学習の本質です。


🧩 カオスは成長のサイン

子どもが練習中にフォームが崩れたり、失敗を繰り返したりする時期があります。
保護者から見ると「下手になったのでは?」と心配になるかもしれません。

でも実は、これは 新しい動き方を試行錯誤している証拠 です。

脳と体は「どの筋肉をどのタイミングで使えばいいのか?」を探りながら、混乱(カオス)を経て、より洗練された解決策へとジャンプします。

👉 この「突然できるようになる」現象を 相転移(phase transition) と呼びます。


🎲 CLAとディファレンシャルラーニングの視点

  • CLA(制約主導アプローチ)
    環境(コートの広さ)、課題(ボールの大きさ)、個人(体格・経験)といった制約を変化させることで、子どもは自然に新しい解決方法を見つけます。

  • ディファレンシャルラーニング
    あえて揺らぎを増やす(逆足で蹴る、ジャンプして投げる、変則的な動きを混ぜる)ことで「反復のない反復」を実現。
    これがカオスを生み、学習を加速させます。


💡 筋活動の多様性がカギ

研究では、

  • フリースロー成功率の高い選手 → 毎回同じ動きではなく、筋活動に多様性 がある

  • デッドリフトで腰痛を起こさない選手 → 脊柱起立筋の活動に多様性 がある

つまり、うまさやケガ予防の秘密は「安定の中の揺らぎ」にあります。
カオスを経験することで、子どもは より強く・より賢く動ける身体 を手に入れているのです。


👪 保護者の方へ

もしお子さまが練習中に「失敗ばかりで下手になった?」と感じても、それはむしろ 成長の前触れ です。

  • 混乱(カオス)は悪いことではなく、むしろ必要なステップ

  • 同じ動きを完璧に繰り返すより、多様な動きを経験することが大切

  • カオスを通じて「突然できるようになる瞬間」が訪れる


✅ まとめ

運動の成長は、やればやった分だけ直線的に伸びるわけではありません。
時には停滞したり、混乱しているように見える時期もあります。

でも、それは 成長のサイン です。
子どもはカオスを経験することで、新しい解決策を見つけ、突然大きく飛躍します。

👉 だからこそ、お子さまの練習を 温かい目で見守ってあげてください
その先に必ず、“できるようになる瞬間”が待っています。

PHYSICAL MONSTER ACADEMY は、その挑戦を全力でサポートします。

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2025/09/03

練習時間が多ければ上達するはウソ? ― 自由度問題と“反復のない反復”

🏃 はじめに

「野球は1000本ノック!」「サッカーはボールを触った時間がすべて!」
「陸上は走り込みがものを言う!」

こうした“量こそ正義”の考え方は、いまだ多くのスポーツ現場で根強く残っています。
しかし、科学が示しているのはその逆。
練習量の多さ=上達ではない のです。


🔨 鍛冶屋のハンマータスク ― 同じ動きは存在しない

ロシアの生理学者ベルンシュタインは、鍛冶屋が鉄を打つ動きを詳細に計測しました。
すると驚くべきことに、同じ動きをしているように見えて、毎回違う軌道を描いていた のです。

これは「同じ動作を完璧にコピーすること」は人間には不可能であり、むしろ 揺らぎ(variability)を含んだ動作こそが自然で効率的 であることを示しています。


🧩 自由度問題とは?

人間の身体は無数の関節・筋肉・神経から成り立ち、理論上はほぼ無限の動作パターンを生み出せます。
この複雑さを「どうやって一つの動きにまとめているのか?」という疑問を 自由度問題(Bernstein’s Problem) と呼びます。

  • 野球の投球 → 肩だけでなく股関節・体幹まで無数の組み合わせ

  • サッカーのドリブル → 相手DFやピッチ状況で毎回違う動き

  • テニスのサーブ → 風やボールの回転条件で同じ再現は不可能

つまり「同じ動きを何度も繰り返させる練習」自体が、現実には成立しないのです。


🌍 エコロジカルアプローチと制約主導アプローチ(CLA)

心理学者Gibsonの エコロジカルアプローチ では、動作は環境との相互作用によって形づくられると考えます。

この考え方を発展させたのが 制約主導アプローチ(Constraint-Led Approach / CLA)

  • 個人(年齢・体格・体力)

  • 課題(ルール・道具・目標)

  • 環境(天候・相手・スペース)

これらの 制約を操作することで、選手自身が多様な動きを自己組織化していく という理論です。


🎲 ディファレンシャルラーニング(DL) ― 反復のない反復

CLAとよく並んで語られるのが ディファレンシャルラーニング(Differential Learning)
こちらは「揺らぎを意図的に増やす」アプローチです。

  • 野球 → 足幅を変える、体をひねって投げる、ジャンプして投げる

  • サッカー → 逆足・ジャンプシュート・わざと不安定な姿勢から打つ

  • 陸上短距離 → 坂道・砂場・追いかけ競争など多様なスタート

同じ結果を得るために、あえて毎回違う動きを経験させる。これが「反復のない反復」です。


💡 筋活動の多様性が成功を生む

多様性の重要性は、実際の研究でも証明されています。

  • バスケットボールのフリースロー
    成功率の高い選手ほど、肩や肘、手首の 筋活動に多様性 が見られ、毎回微妙に異なる調整をしていることが分かっています。

  • デッドリフトやスクワットで腰痛にならない人
    脊柱起立筋の筋活動を調べると、一定のパターンに固定されず、多様な発火パターン を持っていることが報告されています。
    👉 特定の部位に負担が集中せず、ケガ予防につながる。

つまり「動作のコピー」ではなく「動作のバリエーション」が、成功と安全を保証しているのです。


👪 保護者の方へ

「たくさん練習させれば上達する」と思いがちですが、
実際には 多様な動きの中から自分なりの解決策を見つけること が大切です。

お子さまに必要なのは「やらされる反復」ではなく、環境や課題から自然に導かれる多様な練習です。


✅ まとめ

  • 鍛冶屋のハンマータスク → 同じ動きは存在せず、揺らぎが自然

  • 自由度問題 → 人体は複雑すぎて単純なコピー練習では適応できない

  • エコロジカルアプローチ → 環境との相互作用が動作を規定

  • CLA → 制約を操作して自己組織化を促す

  • ディファレンシャルラーニング → 反復のない反復で多様性を引き出す

  • 筋活動の研究 → 成功する選手やケガをしない選手ほど、多様性を持っている

👉 結論:練習時間の多さではなく、多様な解決方法を身につけることが上達の鍵

PHYSICAL MONSTER ACADEMY では、科学に基づいた「非線形学習×多様性のある練習」で、子どもたちの成長と安全を全力でサポートしています。

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2025/09/02

メディシンボールはなぜ効く?科学が証明するパワートレーニング

メディシンボールはなぜ効く?野球・サッカー・テニスに役立つ科学的パワートレーニング


🏃 はじめに

「もっと速く走れるようになりたい」「野球で球速を上げたい」「サッカーで強いシュートを打ちたい」――。
スポーツのパフォーマンスを高めるうえで欠かせないのが パワー(力 × スピード) です。

そのパワーを効率よく鍛えられるのが、今や世界中のアスリートが取り入れている メディシンボールトレーニング
野球、サッカー、テニス、バスケットボール、陸上競技まで幅広く使える理由を、科学的な視点から解説します。


🔑 メディシンボールの特長

  1. 全身の連動性を鍛える

    • 野球の投球やサッカーのシュートは「下半身 → 体幹 → 上半身」と力をつなげる必要があります。

    • メディシンボールを投げる・回す動きは、この 全身の連動性 を強化するのに最適です。

  2. 筋トレにはない動きができる

    • 筋トレ(スクワットやベンチプレス)は多くが 矢状面(前後方向) に偏ります。

    • 一方で、メディシンボールは 水平面(回旋動作) を強化できるため、

      • 野球のバッティングやピッチング

      • テニスのサーブやフォアハンド

      • サッカーのキックや方向転換
        といった 実戦の回旋動作 に直結します。

  3. 競技動作に近いパワー発揮

    • バスケットボールのジャンプシュートや陸上短距離のスタートのように、瞬間的に大きな力を出す動作を再現できます。


📊 科学が示す効果

研究でも、メディシンボールを使ったトレーニングは次のような効果が示されています。

  • ジャンプ力やスプリント速度の向上(陸上・バスケットボール)

  • 体幹の安定性と回旋力の強化(野球・テニス)

  • 瞬発的なパワーの発揮(サッカー・ラグビーなど)

👉 メディシンボールは、競技力に直結する「筋力とスピードの橋渡し」として機能します。


⚡ アカデミーでの実践例

PHYSICAL MONSTER ACADEMY では、以下のような工夫を取り入れています:

  • 投げ方そのものは共通ですが、定期的に オーバーヘッドスロー、回旋スロー、ジャンプスロー などバリエーションを変更。

  • これにより「野球の投球フォーム」や「サッカーのキックモーション」といった動きにも応用できる 動作の多様性 を育てています。

👉 単調な反復ではなく、非線形運動学習の考えに基づき、多様な刺激で子どもの体を育てています。


👪 保護者の方へ

「筋トレはまだ早いのでは?」とご心配される方もいらっしゃいますが、メディシンボールは 遊び感覚で取り組める安全なパワートレーニング です。

さらに、競技特性に直結する動きが多いため、

  • 野球なら投球・バッティングの力強さ

  • サッカーならキック力と体幹の安定

  • テニスならサーブやストロークのスピード

  • バスケットならジャンプ力

  • 陸上ならスタートの瞬発力

といった成果につながりやすいのが大きな魅力です。


✅ まとめ

  • メディシンボールは 矢状面だけでなく水平面の動作(回旋力) を強化できる

  • 野球・サッカー・テニス・バスケット・陸上など幅広い競技に効果がある

  • 投げ方は基本的に共通だが、バリエーションを変えて 動作の多様性 を育てている

  • 子どもでも安全に取り組める、科学的に裏付けられたパワートレーニング

👉 筋トレだけでは足りない“本当のパワー”。
メディシンボールこそが、未来のアスリートを育てる鍵です。

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2025/09/01

失敗を恐れない子に育つ!グロースマインドセットとは

はじめに

「失敗したらどうしよう…」と考えて挑戦できない子。
一方で、「うまくいかなくても次は頑張ろう!」と前向きに挑戦を続ける子。

この違いを生むのが “マインドセット(心の持ち方)” です。
今回は、スタンフォード大学の心理学者 キャロル・ドゥエック博士 が提唱した
グロースマインドセット(成長思考) について、保護者の皆さまにわかりやすくお伝えします。


マインドセットには2種類あります

固定的思考(フィックストマインドセット)

  • 失敗を恐れて挑戦を避ける

  • 「自分はもう十分できる」と思い込みやすい

  • 他人の成長を脅威に感じてしまう

成長思考(グロースマインドセット)

  • 失敗も学びの一部として受け入れる

  • できないことを素直に認め、努力で乗り越えようとする

  • 他人の成功を刺激として受け止められる

👉 どちらのマインドセットを持つかで、子どもの挑戦や成長のスピードは大きく変わります。


失敗を恐れないことが大切な理由

  • 挑戦しなければ成長はない

  • 失敗から学ぶことで粘り強さが育つ

  • スポーツや勉強だけでなく、人生全般に応用できる

失敗は「マイナス」ではなく「成長のステップ」。
子どものうちからその価値を理解できると、どんな壁にも挑める力になります。


アカデミーでの取り組み

PHYSICAL MONSTER ACADEMY では、トレーニングの中で 「できないからこそ意味がある」 という声かけを意識しています。

  • 新しい動作にチャレンジする

  • 失敗を繰り返しながら少しずつコツをつかむ

  • 「できなかった」が「できた」に変わる瞬間を大切にする

この体験の積み重ねが「挑戦=楽しい」「失敗=学び」という考え方を自然に育てます。


保護者ができるサポート

  • 「結果」よりも「努力の過程」を褒める

  • 失敗したときに「どうすれば次はうまくいくかな?」と問いかける

  • 他人の成功を一緒に喜び、刺激に変える習慣を作る

日常のちょっとした声かけが、子どものマインドセットを大きく育てます。


まとめ

  • マインドセットの違いが、子どもの挑戦を左右する

  • グロースマインドセットは、失敗を“成長の糧”と捉える考え方

  • スポーツでも勉強でも、挑戦を楽しむ子は大きく成長できる

👉 失敗を恐れない心を育てることこそ、未来に羽ばたく子どもの一番の財産です。

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