西尾市の子供スポーツ体操トレーニングジム教室「PHYSICAL MONSTER」

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2026/07/21

「早期専門化か、マルチスポーツか」スポーツ医科学が明かすジュニア育成“3本柱”

「子どもの頃は色々なスポーツをやらせた方が運動能力が上がり、結果的に本命の競技も上手くなる」

育成現場や保護者の間で、なかば“常識”として語られてきたマルチスポーツ(早期多様化)推進論。確かに、幼少期に複数の競技を経験した選手の方が、のちに世界レベルへ到達しやすいというエビデンスも存在します。

しかし、現場で選手と向き合い、科学的に身体発達をデザインする者として、次のような疑問にぶつかったことはないでしょうか。

「単に週1〜2回、別のスポーツを体験させるだけで、本当にその競技特有の認知や知覚・判断能力が身につくのか?」 「競技レベルの差がある中でゲームについていくのが精一杯なら、十分な学習機会にならないのではないか?」

すべての競技に一律でマルチスポーツを当てはめようとすると、指導現場で必ず矛盾が生じます。

今回は、スポーツ医科学、生態学的視点(Ecological Psychology)、運動学習(Motor Learning)、そして現場のS&C(ストレングス&コンディショニング)の根拠に基づき、「アスリート」と「競技者」の違い、そして現場で真に成果を出すための「育成の最適バランス」を徹底解説します。

1. 身体能力が高い「アスリート」≠ 試合で勝てる「競技者」

まず整理すべき最重要概念が、「一流のアスリート」と「一流の競技者」は似て非なるものだという事実です。

  • 一流のアスリート: 筋力・スピード・持久力・跳躍力など、高い身体能力(フィジカル)を持つ者。

  • 一流の競技者: その競技特有の高度な技術・知覚・戦術判断を駆使し、試合で勝利を収める者。

NFLコンバイン(40ヤード走やベンチプレスなどの体力測定)の数値が、クォーターバック(QB)やワイドレシーバー(WR)といった高度なスキルと瞬間的判断を要するポジションの実際の競技成績を予測できなかったという研究結果がそれを示しています。

             【2×2 マトリクス】
      
          クローズド           オープン
     ┌─────────────────┬─────────────────┐
     │  ①スキル×閉じた  │  ②スキル×開いた  │
スキル│ (体操・ゴルフ)   │(サッカー・テニス)│
     ├─────────────────┼─────────────────┤
     │③フィジカル×閉じた│④フィジカル×開いた│
フィジカル│ (ボート・陸上)   │ (ラグビー・ホッケ)│
     └─────────────────┴─────────────────┘

競技は「フィジカル駆動(ラグビーや陸上)」と「スキル駆動(サッカーやテニス」に大別されます。サッカーのような「スキル×オープンスキル」の競技において、競技成績を決定づけるのは「その競技環境の中でいかに知覚と行動を連動させられるか」なのです。

2. マルチスポーツの「知覚的限界」とメインスポーツでの制約操作

「多種目をやれば知覚・判断力が上がる」という説には、慎重な検討が必要です。

週1回程度、他競技に参加したとしても、周囲の専門的な子どもたちとの技術差・環境差があれば、ゲームについていくこと自体が優先され、本質的な知覚・判断の学習機会(アフォーダンスの探索)を得られない可能性があります。

メインスポーツ内での「代表性設計(Representative Design)」

サッカー特有の知覚・判断能力を育むのであれば、メインスポーツの中で制約主導アプローチ(Constraint-Led Approach)を用いる方がはるかに高密度で効率的です。

例えば「フニーニョ(3v3のミニゲーム)」のように、コートサイズ、ゴール数、ルールなどの制約を操作することで、競技の全体性を保ったまま、選手に大量の「判断と操作」を経験させることができます。

  【知覚・判断の学習】
   ➔ メインスポーツ内での「制約操作(フニーニョ等)」が最も高密度で効果的

3. なぜ「包括的フィジカルトレーニング」が必須なのか?

知覚要素をメインスポーツ内で効率的に補完できるのであれば、作られたトレーニング時間で優先すべきは「多様性を担保した包括的フィジカルトレーニング(S&C)」です。

① フィジカルの土台作りにおける圧倒的効率

単一のマルチスポーツでは刺激の偏りが生じますが、プログラムされたS&Cは、子どもの成長段階(PHV:ピーク身長速度年齢)に合わせて必要な運動要素(スプリント、ジャンプ、着地、アジリティ、多方向の筋力)を安全かつ万全にカバーできます。

② 「できた!」という成功体験と将来への資産

子どもたちは、適切な指導のもとでのトレーニングを意外なほど楽しみます。「できなかった動作ができるようになる」「数値や動作が変わる」という成功体験は、自己効力感を大きく高めます。

この成功体験があれば、将来(中学・高校・大学やクラブチーム)で本格的なトレーニングが導入された際にも、苦手意識を持たず前向きかつ能動的に取り組める生涯の資産となります。

4. マルチスポーツを取り入れるなら「異質な刺激」を狙え

では、マルチスポーツは不要なのでしょうか? 決してそうではありません。狙うべきは「メインスポーツでは絶対に得られない感覚刺激」です。

サッカー絵お礼にして考えると、例えば、アクロバティックな動き(体操等)は身体操作の向上に寄与しますが、実際のサッカーの試合で発揮できる場面や求められる文化は限られています。

ここで極めて価値が高いのが、柔道やレスリングなどの「コンタクト・対人格闘系スポーツ」です。

  【コンタクトスポーツがもたらす独自刺激】
  ・相手と接触した状態でバランスを保つ(着底安定性・剛性)
  ・人から強い力を受け、それをいなす感覚
  ・相手に力を効率的に伝える身体の使い方・軸の意識

サッカーにおいても、球際でのボディコンタクト、デュエル(局面の争い)、相手を背負った状態でのキープなど、「力学的な対人感覚」は不可欠です。ボールを扱うメインスポーツでは経験しにくいこの感覚を育むことこそ、マルチスポーツを取り入れる真の価値と言えます。

5. 【結論】ジュニア育成における「最強のバランス構成」

以上の考察を統合すると、ジュニア〜ミドル世代における理想的な育成プログラムの構造が見えてきます。

   ┌──────────────────────────────────────────────────────────┐
   │ 1. メインスポーツ(例:サッカー)                            │
   │    └ 軸となる競技の実践                                    │
   ├──────────────────────────────────────────────────────────┤
   │ 2. 制約操作を取り入れたゲーム・遊び(フニーニョ等)            │
   │    └ 競技特有の知覚・判断能力を高密度に育む                 │
   ├──────────────────────────────────────────────────────────┤
   │ 3. 包括的フィジカルトレーニング(S&C)                    │
   │    └ フィジカルの土台形成・傷害予防・成功体験の構築          │
   ├──────────────────────────────────────────────────────────┤
   │ 4. 補完的マルチスポーツ(柔道・レスリング等)                │
   │    └ メイン競技では得られない対人コンタクト・力覚刺激の獲得    │
   └──────────────────────────────────────────────────────────┘

まとめ:現場の指導者へ

「とりあえず色々なスポーツをやらせれば良い」という大雑把なマルチスポーツ論は、すでに過去のものです[cite: 1]。

  • 知覚・判断はメインスポーツ内の制約操作で深く磨く。

  • フィジカルの土台はプログラムされたトレーニングで効率的かつ安全に育む。

  • 異質な感覚(コンタクト・対人軸)のみをマルチスポーツでスマートに補う。

この明確な「狙い」を持ったシステム(構造)をデザインすることこそが、未来のトップアスリートを育てる指導者の真の役割なのです。

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2026/07/20

【ストレッチ神話のウソ・ホント】科学的根拠から紐解く、アスリートが本当に知るべき「ストレッチの本質」とは?

こんにちは! スポーツ現場や日々のトレーニングで、当たり前のように行われている「ストレッチ」。

「怪我を予防するためにしっかり伸ばそう!」 「練習後の筋肉痛を防ぐためにクールダウンしよう!」

そんな風に教わってきた方も多いのではないでしょうか。しかし近年のスポーツ科学において、私たちが信じてきた「ストレッチの効果」には、多くの誤解があることが分かってきました。

今回は、最新のデータをもとに「ストレッチ神話」の真実を解き明かし、アスリートや指導者・保護者の皆様が本当に実践すべき「ストレッチの正しい活用法」について解説します!

誰もが信じている「ストレッチ神話」4つの真実

まずは、よくある4つの誤解について科学的な事実(エビデンス)を見ていきましょう。

事実1:筋肉痛は防げないし、治らない

  • 練習の前後にどれだけ入念に伸ばしても、明日の筋肉痛を防ぐことはできません。

  • 筋肉痛の時にストレッチをすると「痛みが和らいだ気」がしますが、これは神経的な感覚によるもので、筋肉の組織そのものが治っているわけではありません。

事実2:肉離れには予防効果があるが、「魔法の盾」ではない

  • 静的ストレッチは、アキレス腱炎などの「腱の損傷」の予防には役立ちません。

  • 一方で、筋肉の損傷(肉離れ)に対しては予防効果が確認されています。 日常的に行うことで筋肉のスティフネス(硬さ)を低下させ、ハムストリングスなどの特定の筋線維が断裂するリスクを部分的に軽減してくれます。

  • ただし、ストレッチを「怪我全般を防ぐ魔法の盾」と過信しすぎると、より効果的な予防策(筋力トレーニングや動作改善)を行う機会を逃してしまう危険性もあるため注意が必要です。

事実3:筋肉は物理的には伸びていない

  • 体が柔らかくなる(柔軟性が上がる)のは、筋肉がゴムのように物理的に伸びたからではありません。

  • 実際には、脳が「ここまで伸ばしても安全だ」と学習し、神経のストッパー(痛みの警報システム)を解除することで、“柔らかくなったように”感じているのです(神経系の適応)。

事実4:生理学的な疲労回復効果はほとんどない

  • 「練習後のクールダウンでストレッチをして、乳酸などの疲労物質を洗い流す」という説は、現代の科学では否定されています。低下した筋力を早期に回復させるような生理学的なリカバリー効果は、静的ストレッチにはほとんどありません。

  • 代謝産物の除去や血流促進が目的ならば、筋肉のポンプ作用を利用する軽いジョギングやエアロバイクなどの「アクティブリカバリー(低強度の有酸素運動)」の方が有効です。

ストレッチの真の意義は「体との対話(自己モニタリング)」

「じゃあ、ストレッチって意味がないの?」と思った方もいるかもしれません。それは大きな間違いです!ストレッチには、生理的な疲労回復とは異なる「2つの絶大なメリット」があります。

1. 「身体のエラー」に気づくための最高のアラーム

アスリートがストレッチを行う最大の意義は、筋肉を伸ばすこと自体ではなく、自分の体の違和感(エラー)に気づくことにあります。

  • 「今日は右の太もも裏がいつもより張っているな」

  • 「昨日よりも足首が曲がりにくく、アキレス腱に突っ張り感がある」

  • 「いつもなら痛い角度なのに、今日だけ妙に感覚が鈍い」

こうした身体感覚の変動は、神経系の疲労や筋肉の使いすぎ(オーバーユース)を知らせる重要なサインです。

💡 怪我のリスクをデータで知る 研究によると、可動域の制限や左右の非対称性は、強力な怪我の予測因子になります。

  • 下肢の柔軟性制限(ROMの低下)が10%増加すると、スポーツ傷害のリスクが15%上昇

  • 左右の筋力や柔軟性に20%以上の不均衡がある場合、負傷リスクは30%も増加します。

ハムストリングスの肉離れにおいても、可動域の低下や体幹・骨盤のコントロール不足、疲労蓄積が大きく関連しています。ストレッチは、これらを未然に察知するための「自己モニタリング」として極めて優秀なのです。

2. 自律神経への作用:副交感神経の活性化による「疲労感の軽減」

ストレッチには生理的な疲労物質を抜く効果はありませんが、「自律神経を整える」という効果があります。

運動後に静的ストレッチをゆっくりとした深呼吸とともに行うことで、興奮状態(交感神経優位)から、リラックス状態(副交感神経優位)へとスイッチを切り替えることができます。

これによって、組織レベルで筋肉が回復していなくとも、「あぁ、疲れが取れたな」という主観的な疲労感をスッキリと軽減させてくれます。疲労感が減ることは、睡眠の質の向上や、翌日のトレーニングへのモチベーション回復に直結します。たとえこれがプラセボ(思い込み)的要素を含んでいたとしても、心身のコンディショニング戦略として非常に有効な手段です。

実践!ストレッチは「目的とタイミング」で使い分ける

では、アスリートは具体的にいつ、どんなストレッチを行えば良いのでしょうか? 結論は非常にシンプルです。「練習前は動的(ダイナミック)」「夜・風呂上がりは静的(スタティック)」という使い分けが最適解となります。

① ウォーミングアップ(練習前):動的ストレッチ(ダイナミック)

  • 目的:体温・心拍数の上昇、関節可動域の確保、神経系の活性化

  • ポイント: 体を大きく動かしながら筋肉を刺激することで、これから行うメイン練習への準備を整えます。練習前に長時間の静的ストレッチを行うと一時的に筋力が発揮しにくくなるリスクがありますが、動的ストレッチならパフォーマンスを落とさずに体を最高の状態へ導けます。

② 就寝前・お風呂上がり:静的ストレッチ(スタティック)

  • 目的:副交感神経の活性化(リラックス)、自分の体の状態のチェック(自己モニタリング)

  • ポイント

    • 副交感神経のスイッチオン:深呼吸しながらじっくり伸ばすことで心拍数が下がり、リラックス状態(副交感神経優位)へ切り替わります。これが質の高い睡眠につながり、主観的な疲労感を和らげてくれます。

    • 「体との対話」に最適なタイミング:お風呂上がりなど体が温まっている時に、「今日の太もも裏の張り」「左右の硬さの違い」などをじっくり観察することで、オーバーユースや怪我の前兆(エラー)を早期に察知できます。

まとめ:ストレッチを「正しく」使ってパフォーマンスアップへ!

これまで信じられてきた「クールダウンで疲労回復」「筋肉痛の予防」といった目的でストレッチを行うのは、科学的にはあまり意味がありません。

ストレッチの本来の目的は、適切な「可動域の改善」を図り、身体の状況を把握(自己モニタリング)することで、パフォーマンスアップと怪我の予防につなげることです。

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2026/07/13

走りのロスを徹底的に暴く!生体力学(バイオメカニクス)に基づくランニング動作の「位相・部位別」評価法🔬

長距離走のレースペースを決定づける最後の砦はエンジンの大きさ(最大酸素摂取量)ではなく、車の燃費にあたる「ランニングエコノミー(走効率)」であり、それは適切なフィジカルトレーニングによって後天的に高められるという事実があります

では、実際の指導現場や自己分析において、ランナーの「どこを」「どうやって」評価すれば燃費の悪化を突き止められるのでしょうか?

今回は、解剖学的・生体力学(バイオメカニクス)的な視点から、走りのロスをあぶり出す具体的な評価テクニックを徹底的に解剖します

📐 1. ランニング動作を科学する「支持期」と「遊脚期」の6位相

まず前提として、ランニングという運動は「片脚支持」と「浮遊(両脚が宙に浮く状態)」を交互に繰り返す、いわば【連続した片脚ジャンプ運動】です。 矢状面(真横から見た面)において、ランニング動作の1周期(サイクル)は「サポート(支持期)」と「リカバリー(遊脚期)」の2つに大別され、さらに細かく6つの位相(フェイズ)に分類されます

🔴 サポート(支持期)

地面に足が接地しているフェイズで、現場では「乗り込み」「押し込み」と表現されます

  • ① Foot Strike(接地初期):足が地面に触れた瞬間

  • ② Mid Support(接地中期):体重が最も足に乗り、衝撃を吸収する局面

  • ③ Take Off(接地後期):地面を後方へ押し込み、離地する瞬間

🔵 リカバリー(遊脚期)

足が地面から離れて宙を舞うフェイズで、現場では「脚の引きつけ・返し」と表現されます

  • ④ Follow Through(遊脚初期):離地した直後、脚が後ろに流れるのを制御する局面

  • ⑤ Forward Swing(遊脚中期):折りたたんだ膝を前方に素早くスイングする局面

  • ⑥ Foot Descent(遊脚後期):次の接地に向けて脚を下方へ下ろしていく局面

このサイクルの中で、身体の部位別に力学的エネルギーがどう変化しているかを捉えることが、動作評価の第一歩となります

📊 2. エネルギーの有効性が「高いランナー」と「低いランナー」の決定的な違い

発揮した力学的エネルギーを、どれだけ無駄なく疾走速度(ピッチ×ストライド)に変換できているか。この「有効性(Effectiveness)」の視点からランナーを比較すると、一流とそうでない選手には驚くほど明確な差が現れます

以下のデータは、あなたのフォーム、あるいは指導している選手が「エネルギーを無駄に消費していないか」を見極める絶対的な基準です

❌ 有効性が低いランナー(燃費が悪い)

  • 下肢の崩れ:接地前半に膝が深く屈曲しすぎてしまい、いわゆる「膝が潰れる」「腰が落ちる」状態になる

  • 後方キックの無駄:接地後半に股関節の伸展とトルクを高め、後方へのキックを過度に行う

  • 無駄なブレーキ:接地前半に身体重心の低下(腰の落ち)や重心速度の減速(ブレーキ)が大きく、余分なエネルギーを消費する

  • 体幹のロス:質量が最も大きい「頭部+体幹」の力学的仕事量(無駄な消費)が多く、エネルギー効率を下げている

⭕️ 有効性が高いランナー(エリートランナー)

  • 腰高の維持:接地期を通じて身体重心が低下せず、高い位置(腰高)をキープできる

  • 鋭いシザース&バウンディング:前方の脚を素早く引き出すスイング(シザース能力)と、地面の反発を瞬時に利用するバウンディング能力に優れている

  • 加減速の幅が小さい:接地時のブレーキが最小限に抑えられており、重心速度の加速と減速の幅が小さい

  • 効率的な体幹コントロール:全身のエネルギー曲線を反映する「体幹部」の無駄な揺らぎが極めて少なく、地面反力やバネの力を全身へと効率よく伝達できている

🦵 3. 最重要キーワード:適度な「Leg stiffness(下肢の剛性)」

生体力学において、優れた長距離ランナーの脚は「Spring-mass(バネ-質点)モデル」として説明されます。すなわち、体幹を「おもり(質点)」、脚を「一本のバネ(スプリング)」として捉えるアプローチです

この脚のバネの硬さ(潰れにくさ)のことを「Leg stiffness(下肢の剛性)」と呼びます

Stiffnessが「適度」に高いランナーは、地面に接地した瞬間にバネが余計に潰れません。そのため、①重心の上下動が少ない、②接地時間が極めて短い、③関節の無駄な角度変化が少ない、という理想的な走りが可能になります。バネが硬く鋭く弾むため、エネルギー消費が少なく、さらに関節への負担が減るためケガのリスクも低くなります

逆にStiffnessが低い(バネがゆるい)ランナーは、接地した瞬間にクッションのようにグニャッと脚(下肢関節)が潰れてしまい、接地時間が長くなり、前に進むためのエネルギーを余分に消費してしまうのです

🔍 4. 現場の動画分析で即実践!動作評価の3大チェックポイント

では、スマートフォンのスローモーション動画などを使ってランナーを撮影した際、具体的にどこをチェックすれば「適度なLeg stiffness」を備えているかを見極められるでしょうか?前額面(正面・後面)と矢状面(真横)の動画から、以下の3点を評価してください

① 【初期フェイズ】接地位置が「身体重心の真下」に近いか?

足が地面につく瞬間、身体の重心(おへその下あたり)の真下に近い位置に足が接地できているかをチェックします。真下に近づけることで前方へのブレーキを減らし、スムーズな「乗り込み」を実現できます

② 【中期フェイズ】接地中期に「膝の曲がり」が少なくなっているか?

体重が最もかかる局面で、膝の屈曲角度が深く潰れてしまうランナーは、下肢の剛性が機能していません。優れたランナーは膝の曲がりが少なく、浅い屈曲角度で耐えることができます。これは膝関節だけでなく、骨盤や股関節全体の剛性を高く保ち、アキレス腱や臀筋群(お尻の筋肉)に強力な弾性エネルギーを蓄積できている証拠です

③ 【前額面フェイズ】骨盤の左右の傾斜(落ち込み)が少ないか?

正面や後ろから見たときに、片脚接地した側の反対側の骨盤がグッと下に落ち込んでしまうエラー(股関節の内転接地)がないかをチェックします。骨盤の左右傾斜(落ち込み)が少ないランナーは、股関節や足首のグラつきがなく、地面からの反発力(床反力)を無駄なく重心へと伝えることができます

🔥 まとめ

ランニングフォームの良し悪しは、指導者の「主観や感覚」だけで評価してはいけません。 解剖学的なアライメントの視点と、力学的エネルギーや重心位置といった生体力学(バイオメカニクス)の視点を掛け合わせることで、初めて「その選手がどこでエネルギーをロスしているのか」が論理的に浮かび上がってきます

下肢の剛性(バネ機能)を高く保ち、接地時間を短縮して燃費を最大化すること。この評価基準を持つことこそが、選手一人ひとりに合わせた質の高いフィジカルアプローチを可能にするのです

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2026/07/13

🏃‍♂️【ランナー必見】走る練習だけで満足していない?ランニングエコノミーを高める「フィジカルトレーニング」の科学的アプローチ!🧪

「もっと速く、もっと長く走り続けたい」――。💨

多くのアスリートや指導者にとって、これは永遠のテーマですよね。日々の走り込み(ランニング練習)を増やすことはもちろん大切ですが、現代のスポーツ医科学において、「ただ走るだけ」ではパフォーマンスの向上に限界がきてしまいます。🙅‍♂️

実は、長距離走のスピードを維持・向上させるためには、心肺機能という「エンジン」だけでなく、発揮したエネルギーをいかに無駄なく前への推進力に変えるかという「バネ(燃費)」の力が大きく関係しています。

今回は、ランナーのパフォーマンスを決定づけるメカニズムと、走る練習「以外」のアプローチがなぜ必要なのかを科学的にわかりやすく解説します!✨

1. 📐 長距離ランナーを支える3つの視点

ランナーの能力を引き出し、ケガなく目標を達成するためには、次の3つの視点からバランスよくアプローチすることが重要です。

  • 運動生理学:どれだけエネルギーを作り、使い続けられるか(呼吸・循環機能など)

  • 機能解剖学:そのエネルギーを発揮できる身体になっているか(関節の可動性やアライメントなど)

  • 生体力学(バイオメカニクス):発揮した力を、どれだけロスなく前方への推進力に変えられるか(ランニングフォームや地面反力など)

どんなに強力な心肺機能を持っていても、体が歪んでいたり、フォームに無駄が多かったりすると、エネルギーのロス(燃費の悪化)に繋がってしまいます。📉

2. 🏎 レースの勝負を分ける「ランニングエコノミー(走効率)」

長距離走のパフォーマンス(疾走速度)を決定づける要素には、主に以下の3つの指標があります。

  • 最大酸素摂取量(VO2max):1分間に体内に取り込める酸素の最大値。いわば「エンジンの大きさ」です

  • 無(乳)酸性作業閾値(AT/LT):乳酸が安静時より増加し始めるポイント。いわば「馬力が落ちない限界の巡航速度」です

  • ランニングエコノミー:走りの経済性。いわば車の「燃費」にあたります

驚くべきことに、トップレベルの選手同士を比較したデータでは、エンジンの大きさ(最大酸素摂取量)や馬力の限界点には、人種や年齢による劇的な差はほとんど見られないことが報告されています。つまり、競技レベルが高くなるほど、決定的な差を生み出しているのは車の燃費にあたる「ランニングエコノミー」なのです

そして、このランニングエコノミーは、走る練習だけでなく、適切なウエイトトレーニングやジャンプ系のトレーニング(プライオメトリクス)といったフィジカルトレーニングによって、後天的に誰でも劇的に改善することができます

3. 🔄 生理的エネルギーを「推進力」に変える仕組み

長距離走においては、単に「エネルギーを大きく発揮すること」だけが良いわけではありません。体内で作ったエネルギーを、いかに無駄なく疾走スピードに変換できるかが勝負の分かれ目になります

  • 効率性(バネの強化):ウエイトやプライオによって下肢関節の剛性を高め、筋肉や腱のバネ(弾性エネルギー)を最大限に活用できる状態を作ります

  • 有効性(フォームの改善):無駄な上下動やブレーキのかかる接地を減らし、発揮した力を前へ進むエネルギーへと正しく伝達します

同じ「走る動作」を何千回、何万回と繰り返す長距離種目だからこそ、このバネ機能と効率的な動作パターンの土台(機能・動作)がなければ、パフォーマンスが安定しないばかりか、ケガのリスクも跳ね上がってしまいます

【まとめ】 長距離走でライバルに差をつけるためには、走る練習で心肺機能を追い込むだけでなく、ウエイトやプライオで「バネの効いた燃費の良い体」を作ることが不可欠です。感覚や経験だけに頼るのではなく、体の機能を高めるフィジカルアプローチを取り入れて、理想のパフォーマンスを手に入れましょう!

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